レスキュージャパンブログ

レスキュー講習会の模様や新開発器材のニュース、ロープレスキューのテクニック、国内外のレスキュー事情など

秋に計画していた、リード氏を招請しての講習の中止

今秋に予定していた、アメリカのインスタクターのリードさんを招へいしての講習会は、コロナウィルスの影響で中止となりました。

ご期待頂いていた、皆さま、申し訳ございません。

 

非常に残念です。

 

また、仕切り直しとして、翌年以降で開催をしたいと思っていますのでよろしくお願いいたします。

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油性マーカーによるロープの強度ダウン

ネットサーフィンをしていたら以下のような記事を見かけました。

 

https://www.blackdiamondequipment.com/en/qc-lab-can-i-use-a-sharpie-to-mark-the-middle-of-my-rope.html

(必要に応じグーグル翻訳で翻訳してください。意訳になるかも知れませんが)

 

ここには、なんと!『UIAAの実験結果ではマーカーでマークするとロープ強度が最大では50%落ちる』とあります。

また、『強度ダウンに関しては、ロープマーカーとして売り出しているものを含んでいる」とのこと。

 

異常値や外れ値(注1)の可能性はあるかも知れませんが50%ダウンとは驚きです。

また残念ながら市販のロープマーカーでさえある程度のダウンはするのですね。

 

但し、記事の後段では、UIAAの実験は実際に使用する環境とかけ離れた状態になっていることを批評しつつ、ブラックダイアモンド(ロープは販売していないメーカー)に所属する筆者が、自社の実験環境でロープをマーカーでマークして引っ張り実験をしたところ、常にノットで切れたと記述しています。

 

ロープの真ん中に目印をつけるクライミングと違い、レスキューではマーキングはあまりしませんが、端末に長さ等の情報を記載すると簡便な運用になり得ます。

 

私としては、あまり神経質になり過ぎる必要はないと思いますが、

 

1.ロープ専用マーカー以外の油性マーカーでのマーキングは避けた方がよいこと

2.これだけは避けるべきこととして、ノットが出来るであろう部分に油性マーカーでマーキングすること

 

としておきます。

 

たまにはネットサーフィンも悪くないですね。

 

なお、原典であろうUIAAの文章は以下です。

 

https://www.theuiaa.org/documents/safety/Notification_about_the_marking_of_ropes_by_climbers.pdf

 

注1:外れ値(ウィキペディア) 


外れ値(はずれち、英: outlier)は、統計学において、他の値から大きく外れた値のこと。 測定ミス・記録ミス等に起因する異常値とは概念的には異なるが、実用上は区別できないこともある。

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ピケットアンカーについて

今回は、アンカーがない場合に地面に杭を打ち込んで支点を作るピケットアンカーについて考えました。

RQ3GEARの資料にピケットの記載があります、

 

https://rescuesource.com/wp-content/uploads/KT1750-Instructions.pdf

 

添付した資料のp6に以下の記載があります。

 

Important information

 

For reference, The US Army Rigging Manual

A single picket, either steel or wood, can be driven into the ground as an anchor. The holding power depends on the:

 

1. Diameter and kind of material used.

2.Type of soil.

3. Depth and angle in which the picket is driven.

4. Angle of the guy line in relation to the ground.

 

ピケットの保持力は、4つの要素が関わってくるとあります。要約すると

 

1.ピケットの直径と素材

2.地面の状態

3.打ち込む角度と深さ

4.地面と関連するガイラインの角度

 

1.は当然、直径が太いに越したことはないですが、通常アメリカでは1インチの太さのスチールものが多く使われています。

 

2.でおもしろいのは、濡れた地面の状態で係数をかけて調整する目安があり

 

 泥と砂利が混ざっているところでは、0.9掛け

 泥と砂が混ざっているところでは、0.5掛け

 

 で保持力を間引いて考えます。

 

3.打ち込む角度と深さですが

 

まず、深さは深い方が保持力が強いのは言うまでもありません。

そして角度は、15度から20度と言われます。

 

1本の場合、私の計算ではより倒せば倒すほど保持力は高くなります。

 

 

倒せば倒すほど、ひし形が大きくなり、ひし形の真ん中に線を引くとこの線が長くなることから、力の大きさが大きくなることがわかります。

 

但し、机上の計算だけではなく、実際は地面に打ち込むので、地面へ打ち込む深さを考えると、ピケットの角度を倒せば倒すほど浅くなり、保持力が弱まる傾向となります。

 

4.また、ピケットは複数本を打ち込み、ガイラインでくくり付け保持力を向上させるため、このガイラインと地面の作りだす角度も考慮する必要があります。

 

 

1本目のピケットの打ち込む角度を深くすればするほど、平らな地面では後方のガイラインの角度が大きくなり保持力は下がる傾向にあります。これは、3のひし形のところで述べたとおり、角度が狭いほど、保持力が大きくなり、角度が広いほど、保持力が小さくなるからです。

 

地面が平らかそれとも角度があるかなどを見極め、ガイラインの角度を考慮する理由もこれでわかります。

 

倒し角度について、15度と言われる理由は、これらの複数の要素を細かく把握して考慮、説明するより、15度と言っておき、杭の長さ(杭の長さと打ち込む深さ)と複数の杭を打ち込む幅の中さを決めておいた方が、現場での作り手が混乱しないもしくは、マニュアルとしての完成度が高いからではないかと想像します。

 

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下降器の耐用年数 IDやMPD

下降器の耐用年数について調べてみました。

 

まずは、IDですが、説明書のp21に以下の記載があります。

 

『A.耐用年数 (特に設けていません』

https://www.alteria.co.jp/download/pdf/ifu/D020AA.pdf

 

MPDに関しては、見つかりませんでした。(英文の見落としの可能性は若干ありますが)

https://www.cmcpro.com/MPD-Users-Manual-Flipbook/files/assets/common/downloads/CMC%20MPD%20Manual.pdf

 

耐用年数というと、税務との絡みもあり、当社の顧問税理士に確認しましたが

 

『一般的な道具の耐用年数ではないため、耐用年数が列挙されているものの中に入ってこない

あえてその他扱いとするならば、工具とみれば8年、器具備品とみると15年となります。

但し、実情を考慮して、その他の資産の耐用年数を見て判断することになる』

 

とのことでした。

 

実際の話ですが、使用頻度や使い方によって差が出ることは当然ですが、うちが講習会で使っているMPDも古い物では7年近く経ちますがまだ現役で使えています。但し、耐用年数に関わらず、何が不具合があれば、即交換は言うまでもありません。

 

下降器系として見るならば、すでに自組織で耐用年数を定めているIDやストップと同じが妥当と思います。

構造がシンプルで丈夫なブレーキバーと比べると、少し違う気がします。

 

また、エイト環はどうかと考えたのですが、同じく構造のシンプルさがありますが、エイト環のすり減り具合の早さを考えると同じでもいいのかも知れないと思いました。

 

それでは、下降器としてでなく、プーリーとして見るならば、既存のプリーの耐用年数と同じなるのですが、プーリーもシンプルで丈夫な道具なので、これよりは短いと私は考えます。

 

最後に、ビレー器具として考えるなら、構造的にも540ビレーと同様の耐用年数でいいと思います。タンデムプルージックとは、布系と金属系の材質の違いがあるので、単純に比較は出来ないと考えるのが妥当でないでしょうか?

 

 

まとめると、すでに耐用年数を定めている他の道具との実情を見ながら、3年から5年が妥当だと私は思います。

長めでというならば、税法の工具と同じ扱いにして8年。

 

消防の皆さんにIDの耐用年数をどのようにして、何年と定めているのか聞きたいと思いました。

 

 

 

 

 

 

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ノーノットアンカー

ハイラインにお勧めのアンカーは?と尋ねられるなら

 

私は迷わず、ズバリ、ノーノットアンカーですと答えます。

 

 

結びやすい、解きやすい、カラビナ一つで特段道具も必要としない

そして、強度ダウンもない

 

但し、方法は一つではないので、絶対とは言えませんし

状況によりノーノットが出来ない時は、別のやり方もありますが

 

ハイラインに関しては、クートニーハイラインをテクニカルロープレスキューで実施しています。

但し、ハイラインも方法が多数あり、リービングハイラインならノルウェーリービングやイングリッシュリーブや

展張線も2本や4本

前述のハイラインのアンカーならプルージックを用いたり、クートニープリーを用いたり等々

 

バリエーションは多数あります。

 

このあたりまた、アドバンスでご紹介出来るように、ステイホームのこの時期に準備を進めていこうと思います。

 

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ASAPロックの使用

今回のTRR講習より

 

アサップロックを使用することにしました。

以前までは、高所作業特別教育でのみ使用していたのですが、救助の世界にも便利な道具もどんどん入れて行った方がよいとの判断によります。

 

 

 

最近は、クラッチやマエストロなどどんどん新たな道具も出てきているのでそれらも様子をみつつ導入していきます。

また、これらの機材、手に入れたら使用感などについてもこちらで報告していきます。

 

 

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2020年5月SRT1開催日決定

遅くなりましたが、2020年の春のSRT1(スイフトウォーターレスキューテクニシャンコース1)の予定を以下の通り定めました。

 

2020年5月7日(木)〜9日(土)@京都

https://www.rescue-japan.com/SHOP/5113100242.html

 

 

急流域でのリバーレスキューの講習ですが

急流がない河川でも近年、ゲリラ豪雨や台風時の大雨により、氾濫することが多々起こっています。

 

そんな時に、急流救助に関する知識や技術があると、自分自身の安全はもとより、同僚や仲間の安全確保、レスキューの基本である、要救助者の救助に役立つこと間違いなしの内容になっております。

 

 

基本的な知識の有無や事前の体験により、リスクを知り安全につなげるそんな内容になっております。

 

泳ぎが得意でなくても、ライフジャケットを身につけるので大丈夫でが、

体験として、流水の力を身をもって感じたり、ロープを投げたり、ボートを漕いだりなど行います。

 

 

夏の前のこの時期にぜひご参加のご検討よろしくお願いいたします。

 

詳しくは以下ご参照下さい。

https://www.rescue-japan.com/SHOP/5113100242.html

 

 

 

 

 

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MPDの使い方の動画

お蔵入りしていた動画、MPDその使い方すべてをお伝えします。

過去に作りそのままでした。よろしければご参照下さい。

 

まさにマルチパーパスデバイスでロープレスキューが簡単になります。

車で言えば、オートマーです。基本的な事は、IDと変わりませんが

作業よりでなく、レスキューよりになっています。

第一回 セッティング方法

https://youtu.be/ANoRR88IEtg

第二回下降器・プーリー・倍力システム

https://youtu.be/1AGRvUc9D1A

第三回は、ビレー編

https://youtu.be/8uIJLNa00Rw

よろしければ!

2020年3月講習会実施中 空席あり

●ART3(ピックオフ) 

2020年3月19日(木) 京都
https://www.rescue-japan.com/SHOP/5111500211.html#mainimg

2020年3月25日(水) 埼玉
https://www.rescue-japan.com/SHOP/5111500211saitama.html#mainimg

●アリゾナ

2020年3月2日(月)〜3月3日(火) 京都
https://www.rescue-japan.com/SHOP/5111500215.html#mainimg

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調整できる高取支点 アズテック

先日、岡山でテクニカルロープレスキュー(TRRT)を開催しました。

 

岡山の講習会の斜面は、よい位置に高取り支点がなく、あるのは、エッジギリギリの位置に生えた木となります。

 

このようなケースでは、出入りの時にメインラインに荷重がかけることが出来ない状態で降りていくことになったり、逆に上がってくるときに、最後まであがることが出来ずに、高取支点の下のエッジまでしか上がってくることが出来きません。その状態から、斜面の上まで戻ろうとすると、メインラインをゆるめながら、エッジマンが引き入れることになり、不安定さが出てしまいます。

 

今回は、この状況を回避するために、調整高取り支点(アジャスタブルハイデレクショナル)としてアズテックを活用しました。

 

 

 

高取りしたい木に、ラップスリープル2を取り、そこにアズテックを下向きに引けるようにセットします。

そして、カラビナとプーリーを掛け、メインラインを通せば完成です。

 

まず降下していくときには、アズテックをつかわずに、地面にロープが這わすように進んでいき、ある程度斜面を降りたら、カラビナにかけたプーリーにメインラインを通し、アズテックを引き上げ高取り支点とします。

 

上がってくるときは、これとは逆の動きで行います。

 

メインラインにプーリーをつけたり外したりと少し手間取りますが、危険な出かたや上がり方をするのに比べて安全ですし、高取り支点がない状態でロープを地面に這わせた状態で運行するよりもはるかによいです。

 

機会があれば、調整高取り支点(アジャスタブルハイデレクショナル)お試し下さい!

 

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シングルロープテクニックとレスキューの対比

私、大学時代に探検部に所属していました。

当時、洞窟に入ったり、川を下ったりして過ごしていました。それが今の仕事になっています。

 

探検部の後輩が、中国の洞窟へ行きNHKの番組に関わっています。よろしければ洞窟の世界お楽しみ下さい。

 

https://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20200216

 

洞窟探検で行われる、シングルロープテクニックは、番組では取り上げられないとは思いますが。

 

なお、通常のレスキューでは2系統ですが、シングルロープテクニック(頭文字をとってSRTと言われます)はこれとは違います。

 

違いを明確にすると

 

レスキュー 2システム、2ポイント

SRT    1システム、2ポイント

 

2系統では行動制限される状況では、1本のロープシステムで運行した方が安全もしくは行動の幅が広がるとの発想です。

 

但し、コネクティングポイントは、万一に備えて2ポイントとするのが基本となります。

 

より高い技術や安全配慮が必要となるテクニックです。

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